カテゴリー別アーカイブ: 障害福祉

[日々雑感]今でもたまに精神科クリニックに通院する当該組合員の「弱さの情報公開」〜薬と心の持ち様〜【後編】

【前編】の薬の話の続きで、【後編】は心の持ち様についてですが、これは何も精神疾患やその障害に纏わる話だけとは限りません。【後編】では、社会や職場を支配する「強いこと」を志向する価値観を転倒させる「弱さの情報公開」の実践と、我が職場闘争に絡んだ話を。

まずは「弱さの情報公開」から

何でこんな話をしているかというと、私(当該組合員)もまさか自分が鬱になるなんて想像もしていなかった様に、パニック障害だろうが躁鬱病だろうが統合失調症だろうが、心の病には誰でも罹る可能性は有り、余程その人のプライバシーに関わることならば話は別にしても、その事実を隠す必要なんて全く無いということだ。
私自身の経験からも、当事者の生き辛さ・困難さを乗り越えるには、自分の病気に向き合い、開き直る「弱さの情報公開」が当事者にとって、とても重要だと思うからである。 続きを読む

[日々雑感]今でもたまに精神科クリニックに通院する当該組合員の「弱さの情報公開」〜薬と心の持ち様〜【前編】

最初に申し上げておきますが、本記事は当該組合員の極々個人的な話が【前編】で、職場闘争ネタは【後編】からになります。
個人的な話に興味の無い方は【後編】をどうぞ。現在、心の病気を患って職場で病気の理解得られずに困っている方や精神科の薬に興味のある方は、【前編】の当該組合員の体験談関連記事含めて、【後編】の最後までお付き合いください。

当事者目線で見る、心に働く薬たちの現状

今から20年くらい前に鬱病に罹り、定期的に通院せずに済む様になり、抗鬱薬を服用しなくてもよくなる迄、ほぼ10年くらい掛かった*
しかし、ようやく立ち直りかけていたところ、2012年辺りからの一部の者による職場の専横支配による労働環境の悪化、排除が顕著になり、2016年、ついに堪忍袋の緒が切れて労働組合加入・職場闘争決起という流れの中で、闘争心で奮い立って、表面的には元気そうに見えても、心や身体は正直なもので、不眠傾向やたまに心身の調子が悪くなることが屡々起こり、ここ何年か、約4ヶ月に1回、当該組合員は精神科に通院し、抗不安薬や睡眠薬を処方してもらっている。

* この辺の話は本組合掲示板ブログ記事の「[集会報告]2・9刑法全都実 総会・集会「職場と過労うつ体験―休職・復職など―」【後編】」を参照のこと。 続きを読む

バイデン米大統領による「障害のある人の完全参加と平等のための計画」

2020年米大統領選挙の結果がグダグダになり、2021年1月6日に敗北を認めないドナルド・トランプ支持者が連邦議会を襲撃する前代未聞の事件も起こりましたが、1月20日、ジョー・バイデン(Joseph Robinette Biden Jr.)氏がアメリカ合衆国大統領に就任しました。

以前の本組合掲示板ブログ記事で、月刊誌『さぽーと』2020年11月号の記事に併せて、トランプ前大統領の障害(者)観を批判的に見て来ましたが、では、対立候補(であった)バイデン氏の障害(者)観や政策はどの様なものかを見てみたいと思います。
これは大統領選挙期間中の彼のweb siteにあった“THE BIDEN PLAN FOR FULL PARTICIPATION AND EQUALITY FOR PEOPLE WITH DISABILITIES”を翻訳したものです。
私の語学力不足から、全てを翻訳・転載するのは時間・労力共に困難なので、要点をピックアップして紹介したいと思います。また、何か間違いがあったらご指摘くださいませ。m(_ _)m 続きを読む

[職場闘争]第13回団交報告 part 2 〜労働者代表選出方法を巡って〜

前回第12回団体交渉議題からの持ち越し議題である労働者代表選出を巡っての交渉である。
第12回団交でも少しばかり協議したが、前回もこれまでと同様に議論は平行線で、太田常任理事が当該組合員が2020年9月9日付で末吉事務局長宛に提出した「公平・公正で民主的な労働者代表選出のための投票方式の提案書」(以下、「提案書」と略)の内容を検討して回答するとこのことになり、(あまり期待はしていなかったが)その回答が協会から2021年2月17日に届いた。が、以前と比べて、少々前進はあったものの予想通りで、以下の様な回答であった。

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[職場闘争]第12回団交報告 part 3 〜労働者代表選出方法/エンパワメントとストレングス・モデルについて〜

公平・公正で民主的な労働者代表選出方法について

前回団交では時間切れとなり協議できなかったが、我が組合が2020年9月9日付で末吉事務局長宛に提出した「公平・公正で民主的な労働者代表選出のための投票方式の提案書」(以下、提案書と略)について、協会に全く検討すらされていないことから*、これについて誠実な回答をしないのは何故か?と問い質した。

* この協会の対応については、本組合掲示板ブログの下記の記事を参照のこと。
「[職場闘争・告知]組合の度重なる要求を無視し続ける日本知的障害者福祉協会 & 第11回団交日程が決まる」

これに対し、古屋総務課長は、当該組合員から職員に提案すればいい、それを決めるのは職員、とこれまでと同じ返答であった。
しかし、第9回団交で提案があるならば出してくれ、それについて検討すると言ったのは、そもそも協会である。協会が言っている回答なるものは、ただ協会のこれまでの言い分を繰り返しているに過ぎない。検討するということは提出した提案書の内容について吟味し、労働者代表選出にあたり、より良い公平・公正・民主的な手続きを労使で考えていくかという実質的な過程を意味する**
大体、現在行われている挙手による労働者代表選出だって、当時の協会顧問弁護士の助言によって、“たまたま”そうしただけだろうが。そして、その都度、当該組合員はそれについて抗議している。

** これについては、第10回団交でも議題として取り上げた。本組合掲示板ブログの下記の記事を参照頂きたい。
「[職場闘争]第10回団交報告 epilogue 〜「選挙」ってなんだ〜」

再び堂々巡りの議論になるかという流れになりそうだったが、太田常任理事はちゃんと検討し、我が組合に回答する、とのことだった。 続きを読む

[閑話休題]ドナルド・トランプは障害者をどう見ていたのか?〜『さぽーと』2020年11月号「今月号に寄せて」“差別は恥ずかしい”から〜

『さぽーと』2020年11月号

月刊誌『さぽーと』2020年11月号は本来であれば、全国知的障害福祉関係職員研究大会(京都大会)の特集号であったが、京都大会がCOVID-19の感染拡大で次年度に延期になってしまった為、急遽、特集を差し替え、特集「座談会 知的障害のある方の尊厳を守る─日本知的障害者福祉協会としての取り組み─」になった。

特集に関連して、毎号、協会の理事が「今月号に寄せて」(旧「巻頭言」)というコーナーで協会役員の立場として発言している。11月号は協会理事で弁護士の川島志保氏(嘗て『AIGO』『さぽーと』誌の編集委員も務められた)に、特集テーマに合わせて、「差別は恥ずかしい」と題して寄稿頂いた。
川島氏の論考では、Donald Trump米大統領(以下、本人について言及する際は単にトランプと略)の持つ差別感情を、白人警察官によるアフリカ系アメリカ人への暴行・殺害に端を発した“Black Lives Matter”運動等との関連から敷衍して、人の心に潜む差別意識について論じている。昨今、差別が公然と口にされているという指摘は肯首できるし、差別に対して無自覚・無関心なトランプがアメリカの大統領となってしまった現実に、この様な社会現象・社会病理の一端が現れていると私も思う。
そこで、本ブログ記事では、トランプが障害のある人をどういう目で見ていたのかを、“僭越ながら”少々補足してみたい。 続きを読む

[職場闘争]第11回団交報告 part 3 〜「運用上で…」「口頭で説明…」ではなく規定に明記を〜

就業規則 第5条第2項について

この度の協会の就業規則変更案の追加条項として、採用時に所謂「マイナンバー」(個人番号:「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」による、しかし、「マイナンバー」という通称が好きになれない当該は以下、個人番号という)の提出を義務付けた。

事業者側としては税・社会保険関連法上、雇用している労働者の個人番号を法定調書に記載して提出する義務が“一応”あるとされているが、労働者個人が個人番号の提出を拒否した場合は、未記載でも受理されるし、罰則や不利益もない*。しかし、事業者側としては個々の労働者に提出をお願いしなければならないことになり、確かに面倒だろうと思うが、法の建て付けがそうなっているのだから、これは個人番号の提出は事業者にも労働者個人にも自由の範疇に属することである。

* 法定調書に関するFAQ(国税庁)

さらに、個人番号制度は憲法第13条のプライバシー権を侵害し、違憲だとして、全国各地で違憲・利用差し止め・国家賠償請求訴訟が闘われている。因みに、我が組合の南部労組A組合員も原告の一人である。 続きを読む

新型コロナウイルスから、誰が障害のある人を守るのか?〜国連人権専門家の談話〜

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国連人権専門家のカタリナ・デバンダス・アギラール(Catalina Devandas Aguilar)氏

国連人権専門家のカタリナ・デバンダス・アギラール(Catalina Devandas Aguilar)氏が、世界的に猛威を振るっている新型コロナウイルスの感染に対して、障害者がどの様な現状に置かれ、どう世界的脅威から障害者を守られなければならないのか、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のweb siteに談話を寄せているので、転載させていただきます。
氏は二分脊椎症を有する車椅子のコスタリカの弁護士です。そして、国連特別報告者でもあり、障害者権利条約の創設に関わっています。
氏の談話を日本の障害福祉の現状に、すぐに適応させることは難しいところがあるかもしれませんが、日本の厚労省から五月雨式に発出される緊急の事務連絡とは違う、障害のある人への本質的な支援を行うための方策を考えるためにとても重要な指摘です。
余裕ができたら日本語に翻訳しますが、とりあえず英語ヴァージョンをそのまま転載します。これを期に福祉協会事務局職員も英文読解力を養い、世界の発信から素早く情報収拾できるようにしましょう。福祉協会事務局の某“偉い”人の様に外国語アレルギーや外国人コンプレックスでいてはいけませんよ。(笑) 続きを読む

[集会報告]骨格提言の完全実現を求める10.30大フォーラム〜「ゆにおん同愛会・なんくるブログ」報告記事から〜

image2019年10月30日、「『骨格提言』の完全実現を求める10.30大フォーラム」(以下、各年を総称して「大フォーラム」と略)が東京都千代田区・日比谷野外音楽堂で開催された*

* 本来であれば、当該が直接参加していなかったり、関わっていない事柄や職場闘争、障害福祉関係以外の記事は、補足的な記事として、Wordpressの投稿フォーマットを標準フォーマットとは違うレイアウトにしていますが、過去参加したことを踏まえて、標準レイアウトの本記事としています。

この「大フォーラム」には、我々南部労組・福祉協会も賛同団体の一員とさせていただいている。また、東京南部労働者組合の組合員で、障害者の地域生活支援に関わる組合員や重度身体障害のある組合員や、全日本手をつなぐ育成会の旧知の元事務局員も実行委員会に委員として参加している。但し、当日、組合員である私は『さぽーと』2019年11月号の入稿作業に追われて、参加できなかった。
特に、私的に集会や会合でご懇意とさせていただいている宇都宮健児弁護士(日本弁護士会元会長・東京市民法律事務所)も初期の「大フォーラム」から、参加・発言されているので、私も参加したいのはやまやまなのだが、「大フォーラム」は平日、日中に行われるので、勤務の関係で参加が困難なのが残念である。
しかし、昨年の「大フォーラム」当日、協会事務所でネットワーク障害が発生し、仕事にならなくなったので(不幸中の幸い?…笑)、急遽、半日の年次有給休暇を取り、参加することが叶ったのであった。

実は、日本障害フォーラム(JDFが主催した、2011年の「創ろう みんなの障害者総合福祉法**を! 10.28 JDF 大フォーラム」には、協会行事である全国会長・事務局長会議の2日目プログラム終了後に、同じく協会事務局『さぽーと』編集部のIさんと一緒に別件の取材に行った後に、合わせて取材として立ち寄り、参加したことがある***続きを読む

[日々雑感]人間を選別することの傲慢さへの不快感と危惧〜不適性検査について〜

哲学者イヴァン・イリイチ(Ivan Illich)は、“脱”産業社会を目指し、コンヴィヴィアルConvivial: 適当な日本語の訳語が見当たらないが、強いて言えば「自由闊達で友好的な楽しさ」と言ったところだろうか、訳本*では「自立共生」と和訳されている)な社会を理想として、それを阻害する道具(システム)の使用を抑制すること説き、実際に実践していた。イリイチは「コンヴィヴィアリティのための道具」としてコンピュータを挙げており、それがインターネットの普及に繋がったという見方もあったりする**。これは当時のカウンターカルチャーとしてコンピュータ(ネットワーク)が捉えられていた時代性もあるのではないかと思うが、現在、あっという間に性能が陳腐化してしまう市場経済のシステムに組み込まれた商品となったコンピュータ、グローバルな寡占プラットフォームになってしまった“GAFA(Google-Amazon.com-Facebook-Apple Inc)”、CIANSA元職員のエドワード・スノーデン(Edward Snowden)が暴いた国家権力の監視システムとして、インターネットが、ジョージ・オーウェル(George Orwell)が『1984年』で描いた「テレスクリーン」を彷彿とさせる事態を招いている今日、もしイリイチが生きていたら、この現状においても、管理社会的な統制からの自由のための道具と考えただろうか?と思う。

* イヴァン・イリイチ(著)/渡辺京二・渡辺梨佐(訳)『コンヴィヴィアリティのための道具』筑摩書房 2015
** 古瀬幸広・廣瀬克哉(著)『インターネットが変える世界』岩波書店 1996

「コンヴィヴィアリティのための道具」であった(あってほしい)コンピュータやインターネットが、人々の欲望を掻き立てる資本主義のシステムに内包されている現状を十分に認識しつつ、当該自身コンピュータやインターネットには結構昔から馴染んでいて(好きか嫌いかは別にして)、今もあるのかわからないが、懐かしのnewsgroup、“fj”の時代から、今時のいわゆる各種SNS(Social Network Service)を使って、インターネット上で友達(大体の人はリアルで少しでも付き合いのある・あった人)と交流したり、知り合ったりしている。友達の近況も知ることができるし、全く知らなかった、関心がなかった情報に接することもできるし、私自身の(たあいないものではあるが)情報発信の手段として有効に活用している。

…で、唐突に話が変わるが、最近、Facebookのタイムラインやweb広告に「不適性検査スカウター®」という広告が頻繁に表示されるようになった。
謳い文句は「\中小企業向けの適性検査/ 頼まれた仕事を忘れる、サボり癖がある、何度も同じミスをする を見抜く不適性検査」というもので、これまで、企業での採用試験で適性検査を行っていることはあっても、「不適性検査」まで登場するとは!と驚いた。と、いうのも企業の採用試験で求められるのは必要な能力であり、適性であり、あくまで応募者のpositiveな面の評価によって、公正な採用を行うことが示されているからである***。しかし、結果として応募者が「不適性」を有することは、現実的に選考過程において、選別は避けられないことも理解できなくはない…が、そこには何某かの排除の論理をシステマティックに正当化することに繋がる危惧を抱くからである。

*** 厚生労働省「公正な採用選考の基本」 続きを読む