[職場闘争]第11回団交報告 part 3 〜「運用上で…」「口頭で説明…」ではなく規定に明記を〜

就業規則 第5条第2項について

この度の協会の就業規則変更案の追加条項として、採用時に所謂「マイナンバー」(個人番号:「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」による、しかし、「マイナンバー」という通称が好きになれない当該は以下、個人番号という)の提出を義務付けた。

事業者側としては税・社会保険関連法上、雇用している労働者の個人番号を法定調書に記載して提出する義務が“一応”あるとされているが、労働者個人が個人番号の提出を拒否した場合は、未記載でも受理されるし、罰則や不利益もない*。しかし、事業者側としては個々の労働者に提出をお願いしなければならないことになり、確かに面倒だろうと思うが、法の建て付けがそうなっているのだから、これは個人番号の提出は事業者にも労働者個人にも自由の範疇に属することである。

* 法定調書に関するFAQ(国税庁)

さらに、個人番号制度は憲法第13条のプライバシー権を侵害し、違憲だとして、全国各地で違憲・利用差し止め・国家賠償請求訴訟が闘われている。因みに、我が組合の南部労組A組合員も原告の一人である。

そこで、当該と我が組合は、協会の就業規則変更案の該当条項に対して、協会が職員に個人番号の提出を求めるのは致し方ないとしても、提出するかしないかは、職員の自由意思に委ねられる事柄であり、あたかも義務や強制として記載するべきではなく、飽く迄、任意のものである旨の「ただし、職員が提出を拒否した場合はその限りではない。」を追記する様に要求した。
これについての協会側の回答は、「マイナンバーを取得することで職員にとって不利益なことはないと理解しております。また、取得したマイナンバーは記載の手続き以外では使用せず、管理も厳格に行いますので、今回提示した変更案の通りに修正いたします。」とのことだった。

管理を厳格に行うことは事業者側として当然のことだが、「不利益なことはない」というのは協会側の主張や都合であり、職員個々の利益・不利益は職員自身が判断することである。事実、我が組合の他の組合員の職場では、一方的に個人番号の提出を強制する様な就業規則変更を行い、不利益変更としてこれに団交で抗議し、協議の上、その当該組合員には適用除外とするという労働協約を勝ち取った事例がある。
強制できないことについては協会も理解していた様だが、本就業規則の変更案ではあたかも、強制や義務としか思えない記載であったため、職員は拒否する権利を有することを周知した上で、職員に提出を促したいなら、協会は丁寧に説明するべきであることを再度要求した。

協会はそういう但し書きを記載することで、提出しない職員が沢山現れたら困る、と呆れたことを言っていたが、実際のところどうなるのかわからないし、ほとんどの職員は”Yes”と答えるだろうと思うが、根本的な問題として、提出しない自由もあることを知らしめることはとても大切なことだ。
協会は個別に口頭で説明し、運用する上で検討するとのことだったが、当該は「口約束はダメですよ。規定なのだから文書に明記すべきでしょう」と言ったが、協会側の態度は頑なで、しかも、太田常任理事は「訴訟の判決が出たら対応」などと頓珍漢で的外れなことを言っていた。裁判は権利侵害(虞)有、として訴えを起こされていると言っているのであって、その結果がどうこうではなく、現状として法・制度の運用にも幅を持たせているのが実態である。協会の回答が見ものではある。

就業規則 第48条について

これもこの度の協会の就業規則変更案の追加条項として、(保健医健診等)として新たに設けられたものだ。一般健康診断とは別に、職員が心身の不調・傷病により欠勤をしたり、勤務に支障を生じた場合等を7項目挙げ、「本会の指定する医師の健康診断を受けさせることがある。」とあったが、当該及び我が組合は、協会の指定する医師(協会の職員数から言って、所謂「産業医」ではない)ではなく、各職員の主治医・かかりつけ医による診断も可とする様に要求した。
それに対する協会の回答は、「本会が就労上の措置の必要性を判断する参考として、職員の健康状態を把握している主治医・かかりつけ医とは異なる医師の診断が有益と考える7項目に限定しているものとなるため、今回提示した変更案の通りに修正いたします。」とのことだった。

当該及び我が組合が法的根拠として挙げた労働安全衛生法第66条第5項の但書の法的な意味について誤解がある様なので、それを指摘。また、協会が2020年11月4日の職員会議「事務局調整会議」で言っていた、「中立的な判断のため」という主張だが、使用者側の指定する医師にどうして中立性が担保できるのか。建前上は中立とされているが、例を挙げれば、衛生委員会(労安衛法18条)に出席する産業医は使用者側の人間である。

この辺も、争いの多い規定であって、我が組合でも何件か職場争議で使用者側と揉めた事例がある。或る精神障害の有る組合員の職場では、使用者側の指定する医師への聴き取りに当該組合員と組合の立会いを要求し、結果的に使用者側の医師と会社、当該組合員と組合の4者で協議を行った。当該組合員の主治医には組合も同席し、当該組合員の心身の状況を説明し、理解と協力を求め、就労に際しての合理的配慮を会社に助言してもらい、職場復帰と配慮を求める合意書を作成したこともある。

協会の説明では、職員の主治医・かかりつけ医の診断を否定するものではないということであったが、この度の追加条項ではそれが読み取れない。もし、そうなのであれば、個々の職員の主治医・かかりつけ医での診断でも可とするが、協会の指定医の診断もあり得る旨の文言の追加や、その際に組合を含めた協議の場を設ける様に要求し、これについては検討課題とするということになった。


これ等の規定条項に総じて言えることだが、職員に”No”と言わせない・言わせたくないという、協会の思惑が現れている様にしか思えない。職員には拒否権があることを周知、必要な情報を提供し、丁寧な説明をすべきである。実際の運用上、口頭でするのだろうと思うが、規定である以上、“口約束”ではなく、文言として明記されなければならない。

長くなったので今回もここまで。
次回は、新たな規程である「情報システムの運用管理に関する規程(案)」について協会との協議を記したい。

To be continued…

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