[職場闘争]第10回団交報告 part 1 〜研究会員(『さぽーと』購読者)の減少について、太田常任理事の現状認識と無策を問う〜

第10回団体交渉の議題とは外れているし、進行の時系列には沿わないが、先に報告しておきたいことがある。
本団交の終了間際にこんな遣り取りがあった。

(太田常任理事)…人員の話をいえば、なかなか経営の方が厳しい状況にもなってきますので、早期に人を増やしていくっていう状況は、なかなか難しいところがありますので。そこは業務をしっかり見直しも含めて、やっていってもらわないといけないと思います。
(当該)    時間ないので、あまり突っ込んだ話はできないんですけども、経営的に厳しいっていう内容も、お伺いしたいところでして、具体的にどういう経営改善される考えがあるのかとか…。
(太田常任理事)なかなか…ご承知の『さぽーと』の研究会員の激減については苦しいところがあるのと、あと、通信教育の受講者がなかなか伸びない。その辺りが一番ネックになってきてますね。
(当該)    『さぽーと』研究会員が、2年前に特別委員会を立ち上げられて、誌面改革した訳じゃないですか。この話してると時間ないんですけど….それで大きく減らしてるわけでしょう、研究会員を。
(太田常任理事)それが減らしたということなのか。逆にそれがなかったら、もっと減っていたかもしれませんので。そこはちょっと評価難しいところですよね。
(当該)    「評価難しい」じゃなくて、それちゃんと分析しなきゃ駄目なんじゃないですか。第4期障害福祉計画で、一体何が新しい取り組みとして、取り上げられたかご存じですか。
(太田常任理事)記憶してないです。すぐには答えられないです。
(当該)    PDCAサイクルの取り組みですよ。
(太田常任理事)それは、障害福祉計画だけじゃなくて、全てのについてで。
(当該)    当たり前でしょ。それについて、何も取り組んでないじゃないですか。『さぽーと』研究会員の減少について、なんか取り組んでるんですか。この話はあんまりそんなに…次回でも。
(太田常任理事)やっていかないといけないですね。

第4期障害福祉計画月刊誌『さぽーと』の購読者増減とは何の関係もないのだが、PDCA(plan–do–check–act)を引き合いに出す為に取り上げた。(笑)
協会の行なっている通信教育は2種類あって、どちらも募集、入学者・受講者が低迷しているのだが、ここでは触れない。太田常任理事この発言の中の「『さぽーと』の研究会員の激減」についての現状を先ず見ておこう。
因みに、月刊誌『さぽーと』の有料購読者で協会の会員施設に所属する職員等関係者のことを以前から「研究会員」と呼んでいる(協会の位置付けでは「購読者」ではなく「会員」の一種)ので、以降、本記事でも「研究会員」という。
まず、ここ10年の研究会員の増減の現状である*

年 度 研究会員数 対前年度比
2010 9,842 -259
2011 9,461 -381
2012 9,372 -89
2013 9,226 -146
2014 9,055 -171
2015 8,790 -265
2016 8,155 -635
2017 7,827 -328
2018 7,481 -346
2019 6,876 -605

* 各年度の会員数その他は『さぽーと』(旧『AIGO(愛護)』)誌の各年3月号に掲載、公表されている。

この様に年々減少の一途を辿っており、2018年度に「月刊誌『さぽーと』の在り方に関する検討会」という特別委員会組織**まで設置し、購読者増(会員増)や編集体制の見直しが図られた結果、2019年度に誌面を大幅にリニューアル***したことはご存知の方も多いだろう。しかし、購読者増(会員増)どころか、2018年度の前年度比の減少数に比して、倍近く大きく購読者(会員)を減らしているのが現状だ。
これに対して、太田常任理事の認識としては、「激減」しているが、「それがなかったら、もっと減っていた」“チョーゲキゲンを防ぐことができた!”かもしれない、ということらしい。耳を疑う発言であったが、「評価難しい」のは…成程。「評価難しい」の言葉は意味深長だが、文字通りに受け取っても協会事務局にとって「評価難しい」のは理解できる****。では、百歩譲って、「それがなかったら、もっと減っていた」ということが果たして言えるのか、ということを検証してみたい。
団交での遣り取りの通り、何も検証している様子が見られず、本人も認めている通りに「厳しい」「激減」状況に拘らず、経営分析・判断を放棄し、無策としか言い様が無い為、当該組合員は月刊誌『さぽーと』編集実務担当者・会員管理担当者として看過できないことから、何を以ってそう言えるのか、代わりに我が組合がやってやろうということだ。

** この委員会の事務局体制を巡って、協会が組合員排除としか言い様の無い対応を行なったこと、また、その特別委員会での検討内容についても批判的に取り上げたことについては、本組合掲示板ブログの以下の記事を参照のこと。

[職場闘争]不当労働行為審査中も御構い無しの組合員への排除攻撃 part 1 〜抗議並びに釈明要求〜
[職場闘争]不当労働行為審査中も御構い無しの組合員への排除攻撃 part 2 〜出版界の現状と障害福祉団体の福祉系雑誌の発行部数の推移から〜

*** 『さぽーと』誌の誌面リニューアル時にドタバタがあり、余りにもくだらなさ過ぎて本組合掲示板ブログで報告するのも躊躇われたことから記事にはしていないが、不当労働行為救済申立 福祉協会事件の都労委の審査では取り上げたので、こちらの書面を参照のこと。

「準備書面(3)以降の経過について(補充書 2)」2019年3月8日付

**** 今でも使っているかどうか判らないが、以前、協会事務局では調査の集計に統計解析ソフトウェア「SPSS」を使っていた。統計解析は固より、テキストマイニングまで出来るにも拘らず、MS-Excelでも十分出来る様な単純な集計にしか使われておらず、まあ、何と言うか、真珠や小判だな…と思ったものだ。


過去の研究会員数の増加率・減少率から予測する

通常、将来の増加率・減少率を予測するには係る様々な要因を変数としつつ、各変数を回帰分析により相関係数を求めて推定する必要があるが、その為のリサーチは行われていない為、今その相関を求めることはできない。ここでは極めて単純に、2010年度から2018年度の研究会員の対前年度比増加率・減少率の平均値から、2019年度の増加率・減少率を予測し、その予測値がどれだけ実際の数値から乖離しているかを見てみたい。

2010〜2018年度の増加率・減少率の平均値は -3.26%
これを2019年度の研究会員の増加数・減少数に乗じると、-244.22 となり、2018年度の研究会員数に加算すると、単純計算で2019年度の研究会員は 7,237 と予測できる。
しかし、実際の2019年度の研究会員数は 6,876 であり、予測値よりも 361 も減少している。増加率・減少率で言えば、予測値からさらに -4.99%、実際の増加率・減少率は 8.09% だ。

これでどうして「もっと減っていた」かもしれないと言えるのだろうか。

2019年度研究会員の減少を統計的に検証する

では、特別委員会の方針によって誌面改革をした、『さぽーと』誌の購読者である2019年度の研究会員数は、2010年度以降の研究会員の減少に対してどの程度の有意差があるのか。「もっと減っていた」は信頼するに足る値を取り得るのかを検証してみよう。

各(2010〜2019)年度の前年度比の増減数は正規分布に従う。
各年度の前年度比の平均減少数は、 𝜇 = -323である。
各年度の前年度比の減少数の標準偏差は、𝜎 = 172.46である。
そして、2019年度研究会員の前年度比の減少数は -605 であることから、太田常任理事が言っていた「もっと減っていた」の確率変数は、𝑋 < -605 の値を取る。
ここから研究会員数 0までの間、即ち、-7,481𝑥-606 の累積分布関数 𝐹 (𝑥) = 𝑃 (𝑋𝑥) で値を求めると、0𝑥0.0501 となる。

正規分布-研究会員増減

2010〜2019年度研究会員数の前年度比の確率密度関数 𝒇 (𝒙) 分布

太田常任理事の言い草から、研究会員数増加・V字回復ではなく、減少数をより減らしたい、チョーゲキゲンを防ぎたい!を前提としているので左片側検定とし、2019年度研究会員の前年度比の減少数 -605 以下になる確率は、5%以下の確率-606 でも 𝑝 < 0.05 の慣習的な有意水準のギリギリ線上からそれ以下)でしか起こり得なかったということが言える。

「それがなかったら、もっと減っていた」って、レアケース過ぎない?

因みに、前述した2010〜2018年度の値からの予測値 -244.22 の場合、「減少」を前提としていたとしても、62.10% 以上の確率域で減少に歯止めをかけられなかったならば、改革が成果を見せたことにはならないんじゃないか、常識的に考えて。

まあ、こんな小面倒な計算をして、統計量から推定・検定しなくても、“実感”としても有り得ないだろ。

それでも、太田常任理事が本気でそう思っているのならば、監事監査や理事会・評議員会、会長・事務局長会議で、「2019年度の研究会員は月刊誌『さぽーと』在り方検討会による『さぽーと』誌の見直し・誌面改革のお蔭で、減少数を605人に止めました。この改革がなければ、過去10年の減少数の5%以下の確率で、もっと減少していたかもしれません。」と胸を張って報告すればいい。
できるか? あなた。


2019年度に過去の減少数から見ても研究会員を大きく減らしていることは疑い様の無い事実だ。2019年度に行われた『さぽーと』誌の誌面改革がその数値に影響を及ぼしているのではないか?と考え、業務改善計画自体が悪い訳では無いと考えるのならば、激レアな“チョーゲキゲン”を防げたかどうかは兎も角、それをCheckし、Actしていかなければならないのは、普通の経営感覚なのではないか。
しかし、その計画自体に何か欠陥が在ることが統計的分析によって有意であるとされた場合、これ以上傷口を拡げない為にも、直ぐに手を打たなければならない。そして、それをPlanし、Doした責任も問われなければならない。
この辺の検証は稿を改めて論じてみようと思う。

日本知的障害者福祉協会の常任理事は「事業及び組織の編成を含む運営に積極的に取り組む意欲」や「諸事業及び重要懸案の諸課題に対応できる」資質を有していなければならないので、こんな愚かなことを本気で言っているとは思えない。だとすると、太田常任理事は、これまでの団体交渉や東京都労働委員会の審査でもテキトーに思い付きで言い訳したり、その場凌ぎの嘘をついていたりすることからしても、本団交での組合への対応も然りと言えるだろう。
この様な人物が団交対応者として適任なのか? これを不誠実団交と言わずして何と言うのだろうか。

ついでに言うと、団交から逃亡し、知らん顔している事務局長の末吉はどう考え、どうしようとしているのか?
次回団交でテッテー追及させてもらおう。

…To be continued

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