[職場闘争]労働委員会闘争〜これまでの経過と書面の公開〜

此れ迄、本組合掲示板ブログや情宣ビラでお知らせして来た様に、我が組合と協会の労使紛争は第三者機関の下での解決を目指し、集団的労使関係に係る紛争解決の公的機関として労働委員会に闘いの場を移している。

但し、組合員ではない協会事務局職員には、労働委員会で組合と当該組合員が何について争っているのか解らないのではないかと思う。何せ、自分だって組合活動を始める前は「労働委員会って何?何やっている役所なの?」と言うくらい何の知識も無かったのだから。
そこで、労働委員会とは何か、労働委員会で何を争っているのかを簡単に整理して、お知らせしたい。加えて、組合・協会双方が労働委員会に提出した書面も、誤記を修正・一部伏字に改変したものを公開する。

労働委員会とは

労働委員会は労働組合法に規定されている独立行政組織である(労組法19条以下)。労働委員会は中央労働委員会(中労委)と都道府県労働委員会(都道府県労委、旧・地労委)があり、中労委は厚生労働大臣の所轄下にあり、都道府県労委は都道府県知事の所轄下にある。

労働委員会の目的は、

「労働者が団結することを擁護し、及び労働関係の公正な調整を図ることを任務」(労組法19条の2 2

とされ、その目的の為に

「…不当労働行為事件の審査等に関する事務、労働争議のあつせん、調停及び仲裁に関する事務」(労組法19条の2 3

を司る。

不当労働行為の救済の為の機関

労働委員会の役割は様々ある中で集団的労使関係における紛争解決制度があり、労働関係調整法による、斡旋(労調法10)・調停(労調法17)・仲裁(労調法29の外に、労働組合法による、不当労働行為の審査と救済(労組法27がある。

この辺は学校の社会科で習っているので、記憶している人も多いだろう。

因みに、我が組合も当初は斡旋(公労使三者委員による)での解決を目指していたが、協会が依然として開き直り、斡旋を受け入れる気が全く無かった為に不当労働行為救済を申し立てることになったのは既に報告の通りである。

不当労働行為とは日本国憲法第28で保障されている労働者の団結権に対する、使用者側による侵害行為である。労働組合法7には、

「組合活動を理由とする不利益取扱い」(労組法7条1号)
「団体交渉拒否(不誠実団交含む)」(労組法7条2号)
「組合への支配介入」(労組法7条3号)
「労働委員会への申し立てを理由とする不利益取扱い」(労組法7条4号)

とあり、使用者によるこれらの行為を禁じている。

労働委員会は公益委員・労働者委員・使用者委員の三者で構成され、これらの不当労働行為の審査を行い、使用者側に不当労働行為が認められた場合、使用者側に救済命令を発出することになる(その逆は申立棄却)。先ず、申立は都道府県労委に対して行い、都道府県労委での決定に不服がある場合は、中労委に再審査の申立を行うことができる。

和解解決という道もあるが…

この様に審査は民事訴訟の様な準司法的な手続きを辿り、調査から審問という流れの中で、途中労使双方に和解を促すこともある。
日本知的障害者福祉協会事件(都労委平30不15号事件)の場合も、東京都労働委員会(都労委)から和解を勧められ、協会も謝罪表明には抵抗があるだろうとの都労委でのアドヴァイスに従い、我々組合は協会の過去の不当労働行為事実について反省乃至は遺憾の表明を求める程度にし、今後の正常な労使関係を望んだのだが、協会の和解案は過去の事実を反省するどころか、悪いのは当該組合員という責任転嫁の個人攻撃、そして、これまでの労使合意に基づく団体交渉の開催ルールをも大きく後退させる組合活動への不当な介入そのものであった為に、結局、和解は決裂した。

本来、職場の労働問題は、労使の自主的な努力によって解決すべきことである。それが解決不能になり、労使紛争となった場合でも、労働委員会の場において労使で和解合意でき、以後の集団的労使関係の正常化が図られるのならば其れに越したことはない。我が組合も和解を端から否定している訳ではない。しかし、民事訴訟同様、労働委員会においても、労使の主張の隔たりが大きく、和解困難な場合でも、無理矢理にでも和解させようという傾向にあるのは問題である。
先に記した様に、労働委員会は「労働者が団結することを擁護し、及び労働関係の公正な調整を図ることを任務」(労組法19条の2 2)とするのであって、その権利が擁護される主体は労働組合である。
2005年の労働組合法改正(改悪)により、審査の「的確化・迅速化」が謳われた。果たして審理が迅速化されているのか疑問を感じるところである。更に、的確化については、労働者・労働組合として考えるならば、「実体的真実に則した、労働組合の団結権擁護のための労働組合法を正しく解釈適用した命令」が出てこその的確化でなければならず、救済命令を「行政訴訟で取消されること」を回避したいが為の「的確化」によって、救済命令水準の切り下げが行われてしまったり、民事訴訟同様の強引な和解誘導を行っていては、団結権擁護の機関とは名ばかりの、単なる紛争解決の一行政機関に堕してしまうことになりはしないか*。その傾向も顕著にみられるのが、悲しい哉、現在の労働委員会の実態でもある。

*労働組合法改正と運用の実態」日本労働弁護団 2007.10.1

「労働委員会闘争?組合員じゃないから関係ないなぁ…」と思ってはいけない

で、日本知的障害者福祉協会事件(都労委平30不15号事件)は、具体的に何を争点にして争っているかというとこれだ(2019年3月19日「審問計画書」及び2019年1月17日の第7回調査から)。

「平成29年7月19日から同年12月6日までに行われた、 25年4月1日の末吉孝徳事務局次長の言動に関する団体交渉における協会の対応は、不誠実な団体交渉に当たるか否か(2号)。」**

** 平成28年7月20日の第3回団体交渉以降、平成29年2月7日の第5回団体交渉までの協会の対応についても不誠実な団体交渉であるか否かを判断する際に考慮され得る。

「平成29年2月24日、水内敦子課長代理が、組合員xxxが作成した起案文書を破棄し、xxを経由することなく起案文書を作成し直して決裁を得たことは、組合活動故の不利益取扱い及び組合運営に対する支配介入に当たるか否か(1・3号)。」***

*** 平成28年4月19日以降の水内課長代理の各言動は争点そのものではないが、平成29年2月24日の不利益取扱い及び支配介入を判断する際に考慮され得る。

「職場の労働条件・待遇改善!」とか、「職場のハラスメントや特定職員への嫌がらせをやめろ!」ということについて争っている訳では無い(事案によっては関係あるけど)。これらの職場の労働問題は、団体交渉や争議行為、必要とあれば裁判闘争を通してでも、テッテー的かつ粘り強く勝ち取って行かなければならない。

…という訳で、個々の職場の問題に焦点を当てて争っている訳では無い為、組合員ではない協会事務局職員の皆さんには中々理解し難いことかもしれない。
しかし、団体交渉を使用者が拒否したり、形式的に応じて、実りの無い議論に終始させようとしたり、使用者が明ら様に、又、陰でコソコソと組合や組合員を攻撃する言動を弄したり、組合員を孤立させ、露骨な嫌がらせする等の行為を放っておくことは、組合だけに降り掛かっている問題ではなく、今後、協会が労使対等原則を無視して労働者の権利を踏みにじり、さらに陰湿な虐めが職場に蔓延し、好き勝手に職員の就労環境を悪化させることを許してしまうことに繋がる。皆さんには「次にやられるの自分かも…」ということを理解して頂きたいのと同時に、このブログをご覧になっている協会関係者の方々にも、障害者の福祉の増進を図る公益法人がこんな有様でいいのかということをお考え頂き、我が組合の闘争にご支援を頂きたい。

尚、冒頭でも記した様に、此れ迄、組合・協会双方が提出した書面は本組合掲示板ブログの「資料集」という別ページに掲載しているので、是非御覧ください。

…The end

 

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