[集会報告]11・20医療観察法廃止!全国集会

2016年11月20日(日)、東京都文京区のアカデミー茗台1Fホールで11・20医療観察法廃止!全国集会が開催された。医療観察法廃止集会に参加するのは私にとってはじめてであり、医療観察法及び精神障害者福祉についてはそれほど知識があるわけではないが、これまで、私が編集する協会機関誌『さぽーと』でも何度かご執筆いただいたことがある池原毅和先生と、長年ご愛読いただいていて、機会があれば『さぽーと』にも論考をご寄稿いただきたいと考えている早稲田大学の岡部耕典先生の講演を聴きたいがために参加した。

池原先生からの基調提起では、予防拘禁として傾斜していく医療観察法に反対する大きな流れを作っていかなければならない。そこでは、国連障害者権利条約Convention on the Rights of Persons with Disabilities)がもたらした大きな地平から、対象者の意思決定支援のあり方を検討していくことが必要である(Article 12 – Equal recognition before the law: 第12条 法律の前にひとしく認められる権利)。2016年現在、医療観察法による入院処遇は3,500人、通院処遇は500人。通院処遇中に自殺した人は40人、入院処遇中に自殺した例もある。なぜ、医療観察法下で自殺がおこるのか?それは医療者に従わない限り退院できない、医療選択権も医療拒否権もない仕組みがあり、また認知行動療法により、他害行為を行ったのかを詰問され、心理的にも自責の念を喚起せられることに自殺増の原因があるのではないか。医療観察法の持つ予防拘禁・治安強化の側面が社会に与える影響は甚大である、と。

続いて、岡部先生の講演「重度知的障害/自閉症の息子の自立生活〜相模原事件から考える〜」は重度の自閉症のあるご子息の亮佑君とヘルパーとの生活の様子を映像で映し出しながら、行動障害があっても、地域での「自立」生活の可能性を切り拓く実践を紹介された。
それにしても、平日の日中活動は通所施設(生活介護事業所)で、重度訪問介護の対象拡大が行われた2014年から、重度訪問介護531時間/月(内、移動介護81時間)はすごいな!ビデオ映像も完成度が高く、息子さんだけではなく重度障害者の地域生活を描く映画をこれから制作するというから楽しみだ。
津久井山ゆり園の事件についての答えなど簡単に出ようはずがない。重度障害者について社会は一体何を知っているというのか、なぜ行動障害のある人たちが滞留するはめになるのか、定員160人の入所施設がなぜあるのか、こういう人たちが地域で暮らすには単に入所施設解体で済む話ではなく、地域での「自立」生活を阻む壁はいたるところに存在する。breakthroughするために、小さいときからヘルパー“と”ともに生きる、ヘルパー“を”育てる、生活をともにすることによる個別性・継続性・包括性の確保、当事者主導の共同意思決定(いわゆるshared decision makingのことか?)、とのお話であった。『ズレてる支援!』(生活書院 2015)はまだ読んでいないから読んでみよう。
なんのかんの言っても福祉協会は施設福祉の団体だ。さらに、かつて『行動援護ガイドブック』を編集した者として、パーソナルアシスタントへの行動援護や療育理論による支援法の外部注入、療育化は当事者主体ではない専門家主体の支援であり、管理社会「動く施設」(Adolf D. Ratzka)となる、とはなんとも耳が痛かった。

集会が終わり、『さぽーと』をご購読いただいていたこともあり、また今後何かの企画でご寄稿いただくこともあろうかと思い、岡部先生にご挨拶したら、「僕の原稿なんて、『さぽーと』に載せられないでしょう?」と冗談めかして言われてしまったが、まあ自分が編集担当しているうちなら、可能性はありますよ。^^;
また、以前から『さぽーと』の記事をブログでよく(肯定的にも批判的にも)取り上げていただいている「ゆにおん同愛会」のHさんにもお会いでき、交流を得られたことは嬉しかった。協会の人間がこんなところにいるとは!と驚かれたが…。まぁ、異端・超少数派であることは間違いありません。(笑)

…The end

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[集会報告]11・20医療観察法廃止!全国集会」への2件のフィードバック

  1. H

    こんばんは。Hです。分会結成していないと聞いたので、職場で公然化していないのかと思ったらバリバリ活動なさっているので驚きました。
    南部労組では分会という言葉を使わないんですね。

    福祉協会と比べると、わが職場がまだまともな法人だと思ってしまいます。36協定未締結など労基法の基本からして違反しているではありませんか?しかも電通過労死事件で36協定の問題が取り上げられている今日です。
    知的障害福祉で働く者にとって、これは他所の職場の労働問題ではありません。福祉協会はこの業界の由緒ある代表団体であり、ソーシャルワークの何たるか、ディーセントワークの何たるかを会員法人や職員に説く立場にあります。それなのにこの有様。この業界全体にこの問題を知らせていく必要があると思います。うちのブログでもさっそく記事にさせてもらいました。

    またお会いしましょう。今後ともよろしくお願いします。

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    返信
    1. jaidunion 投稿作成者

      コメントありがとうございます。おそらく日比谷野音集会などではお目にかかっていたかもしれませんが、意外と早くご対面が叶いお話しができてよかったと思っております。
      職場には理解者は数名いるものの、まだ組合員は私一人なので、分会というのも何かおこがましく、仲間を増やしていくのが先決と思っています。

      福祉協会事務局は以前から労基法違反はあれど、かつては労使での協議も可能でまだ健全な職場と言えたのですが、管理職としてふさわしくない天下りが来て以降、手懐けられる職員と自分のような反抗的な職員の分断工作、露骨な情実人事など、どんどん職場が荒廃していった経緯があります。これから本ブログでも明らかにしていきますが、(どこの職場にもあるよ、と言われるかもしれませんが)もっと酷い実態も生じています。
      協会事務局の人間でありながら『さぽーと』誌もろくに読まず、国のお先棒を担ぐかのように、国の社福法人改革資料を代読し、やれコンプライアンスだ、やれガバナンスだ、評議員会制度だのと各地の研修会に出かけて行って、厚労省の役人風情の気分になっている事務局員など、基本的な労働法についてまったく知らないとは呆れてものも言えません。

      これ以上言うと、愚痴も見苦しくなるのでもうやめますが(笑)、各地で起こっている知的障害関係施設、法人の労働問題も見聞きしていますので、その辺も今後紹介していきたいと思っています。
      また、近いうちにぜひ、よろしくお願い致します。

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