[集会報告]10・20労働法連絡会学習・討論会「国家戦略特区を暴く−労働者にとっての課題−」

10月20日朝、東京ふじせ企画労働組合のKさんから、TPPに明確に反対の立場を表明している立教大学経済学部教授・郭洋春先生の講演が今日の夜にあるとメールでご連絡いただき、これは行かねばと思い、早々に仕事を終えて豊島区生活産業プラザに向かった。労働法連絡会の会合に参加するのは初めてであったが、組合の集会などでよくお見かけする方々ばかりだった。

国家戦略特区、いや、そもそも特区とは何ぞやというところから安倍政権の誤魔化しがある。特区とは発展途上国における外資優遇によって経済発展を図る経済政策で、世界中に3,000~5,000もの特区が存在するが、そのほとんどが発展途上国のものであり、既に経済発展を遂げている先進国にあること自体不自然である。さらに安倍政権の国家戦略特区なるもの、都市部と農村部との地域間格差が拡大している中、本来ならば地方の経済活性化につなげるならまだしも、その多くが東京圏・大阪圏に設置されている。これは外資にとって魅力があるのは都市部であり、日本の経済総体の発展よりも外資に儲けさせるための政策に他ならないのだ。

また、安倍政権の目論んだ「解雇特区」は早々に頓挫したが、現行労働法制により守られている労働者の権利は、国家戦略特区の名の下“規制”とされ、“緩和”により有名無実なものになるのは明白だ。
例えば、国家戦略特区の事業である、東京圏雇用労働相談センター(TECC)には、「ストックオプションで支払いたいけどだいじょうぶ?」だの「固定残業代を払えば、それ以上残業代は払わなくてもいい?」だの、フザけた内容が掲載されており、さらに相談者(使用者)の声には、

−−“タダでもいいので、インターンをさせてください”と学生から問合せがあったんですが、本当に無給で雇っていいのか不安で。(略)一度ネットで「ブラック企業」と言われてしまうと、取り返しが付かないじゃないですか。TECCに相談したら、雇用契約書までカスタマイズしてくれて、本当に助かりました。(略)−−

と呆れた回答まである始末。

つまり、安倍政権お得意の小狡い言葉遊び・印象操作を排して、例えば、国家戦略特区「グローバル創業・雇用創出特区」の問題点を天に透かすと、

「雇用ルールの周知徹底」→あらかじめ外資が望む労働条件を労働者にのませる
「紛争の未然防止」→労働組合運動を認めない・形骸化させる
「働き方の明確化」→辞めさせ方の明確化と同義

が見えてくる。
しかし、これは特区だけの話ではないかと安心してはいられない(誰も安心などしないと思うが)。確実に特区でできていることは特区外へとなし崩し的に規制緩和=法改悪に進むのだ。医師会も反対していた混合診療が特区を突破口に特区外にも「患者申出療養」の美名(?)の下に進められたからだ。

外資の参入を推進し、日本の商慣行や産業基盤、文化を破壊する行為はTPPに直結する問題でもある。郭洋春先生のお話では、日本の産業と労働者にとってもメリットがないばかりか、果たして国家戦略特区で示されている程度の規制緩和で、外資が参入するメリットもないのではないかとのこと。では、何が目的か? 殊、労働法制に限ってみれば、法改悪、労働者人民の人権抑圧、労働基本権の破壊そのものである。

ユーモアを交えての郭洋春先生は論旨明快で、労働者の立場に寄り添ったお話には引き込まれる。会場からも活発な質疑応答があり、講演の理解を助けるものであった。
特区とはいえ、日本国憲法や日本が批准している国際人権規約、ILO条約などに反するものはできないだろうし、その辺の究極的な特区の法的限界はどこにあるのかをお伺いしたかったが、新参者で、shyなので質問できなかった。; ;

自由な働き方の選択肢が拡がることは、南部労組としてではなく、私個人としては歓迎し推進すべきと考えるので、労働法連絡会の方針とは異にするところもあるが、ぜひまたこのような学習・討論会を企画してほしいと感じた有意義な時間であった。

…The end

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